2019年施行の水道法改正で「官民連携」と「広域連携」が推進されることとなり、 「都道府県は(国の広域連携等の)基本方針に基づき、水道基盤強化計画を定めることができる」と定められました。 最長で令和16年度まで10年間の「事業費の1/3 の交付金」を目当てに、全国の都道府県で水道広域化が進められています。
2018年12月改正され、2019年10月施行された改正水道法のポイントは、主にこの3つです。
(1)水道の「基盤強化」を進める。
(2)「広域化」を進める責務を、都道府県が負う。
(3)「官民連携」を進める。
この改正を受け、どのように進められるのか。大阪の事例と併せて、具体的になってきた内容を見ていきたいと思います。
2016年2月、大阪市の水道民営化にかかる条例が再提案されました。同年9月、通って もいない水道民営化後の運営会社事務所の敷金や工事等への補正予算案(2年間で1億9000 万円)が提出されるも非難が続出し、11月吉村市長は異例の議案撤回。混とんとしましたが、 2017年3月議会にて、この水道民営化プランは、廃案となりました。
大阪市で水道民営化案が議会に提出され、民営化に向けた動きが進んでいた2016年7月に開かれたシンポジウムの報告です。 東京都大田区議の奈須りえさんから、民営化に伴う様々な課題(地域独占の弊害の懸念、事業リスクを市民が最終的に負担する仕組み等) が示されました。オランダのトランスナショナル研究所の岸本聡子さんから国際機関で民営化が疑問視されていることなど 水道をめぐる世界の情勢について報告がありました。 参加者は250人を超え、このテーマに対する注目の高さが示されました。
「25年後に赤字になる。持続可能な水道のために」とし、大阪市の「水道民営化」案が2016年2月大阪市会に提出されました。
そもそも「水道事業の民営化」の流行は90年代であり、20年以上昔の「時代遅れ」の政策です。
「民営化したけど失敗だった」と、「再公営化」する自治体が多数出てきており、世界中で少なくとも235事例、現在もどんどん増える一方です。
「再公営化」も、資金的・政治的・技術的にも、非常にハードルが高く、TPP等の貿易協定が発効すれば、そもそも戻すことができなくなります。
今は、再公営化をきっかけに、「新たな公共の可能性」を探っているのが世界の最新トレンド。
大阪市が今さら過去の話である「民営化」に寄り道することなく、「大阪モデル」を作るチャレンジ、今ならまだ間に合います。
水道が民営であるか公営であるかどうかにかかわらず、『 水は人権 』という認識のもと、大阪市の水道民営化問題について大阪市水道労組と協働しています。