"超"入門「民営化」
大阪市の水道が民営化されようとしています。公営企業と民間企業の大きな違いは、事業収益を公共のために使うか、株主の利益にするか。水道事業を民営化することは、水を「儲けの対象にする」ことです。
水道を民営化すれば効率が良くなると言われます。しかし、世界中には水道事業を民営化した結果、事業コスト削減による水質の悪化や、 料金の高騰、貧困層のさらなる貧困化が発生した事例が数多くあります。民営化すればうまくいくわけではなく、失敗すれば税金で補うことになります。
南米ボリビアのコチャバンバでは民営化された結果、貧困層の月収1/4相当まで水道料金が値上げされました。民営化した後再び公営に戻した自治体は、世界中で過去15年間に180にも及びます。
水道事業の多国籍大企業の本拠地であるフランスのパリ市や、ドイツの首都ベルリン市も最近、再公営化しました。自治体や国の枠を超えて、公営企業やNGOが協力する動きも見られます。
水道事業は世界的に公営で運営されています。
それは、水が生きるのものすべてに必要不可欠だからです。
民営化は教育や医療でも進められていますが、「営利目的にしてよいもの」と「営利目的にすべきでないもの」を分けて考える必要があります。
(2014.12)