2016.05.14
水と人権
大阪の水特集
<公務員はコストか、財産か>
〜大阪市水道民営化から考える〜
①大阪市の水道民営化プランは「再公営化」の世界のトレンド?
大阪市水道の技術力はすごい。
高度浄水処理、日本で初めて水道GLPの認証もとった。ISO22000の認証も。この技術・ノウハウを持って、市域外の事業展開に活かすとしている。
だけど、ちょっと待って。
最新の機械を入れれば、認証が取れるのか。技術がすごいと言われるのか。
違う。
それを維持管理し使いこなせる人がいるから、技術があると言われるのだ。
大阪市の水道技術がすごいと言うことは、大阪市水道局の職員のノウハウがすごいということ。
その技術、つまり水道職員は大阪市の財産なのだ。でもそれを、お金に換算することは難しい。
でも、民営化すれば、モニタリング部署として残る20人以外は150億円もの退職金を払って、民間の運営会社に移ることになる。
そのノウハウは、ほぼフリーで民間企業に移ってしまう。
すでに、関西圏でも技術を失ってしまった自治体は多数。
それを助けることができるのは大阪市しかないかもしれない。
大阪市の水道民営化の話は、大阪市だけで考える話ではないと思う。
市職員が少なくなるほど、現場を知る市職員が減る。
つまり、私たち市民の声が届きにくくなり、現状を知る経験を職員ができなくなるということ。
職員を減らす=効率化か。今の人数は本当に過剰なのか。
2016.05/文責:NPO法人 AMネット