2015.02

水と人権

みんなの水の文化祭 〜民営・公営なにがええの? 〜開催報告

『 LIM第74号 』 (2015年02月発行)

2014年8月24日、貴重な水についてみんなで考えようと、水をテーマに10を超える団体が集まり「みんなの水の文化祭実行委員会」として水の文化祭を開催しました。市民交流センターひがしよどがわをほぼ終日全館貸切し、「講演・シンポジウム」「映画祭」「ワークショップ」「展示・活動紹介・物販」「ステージ」「飲食・休憩」という6つのエリアを用意し、さまざまな切り口で「水に触れてもらう」ことができました。今回その中で実施された講演・シンポジウムの内容を報告します。

※当日の講演は、IWJ Independent Web Journal 下記アドレスで動画音声が配信されております。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/164045


「水循環基本法ができるまで〜そして、これから〜」
 前衆議院議員 森山浩行氏
「水循環基本法」は、2014年3月27日に全会一致で成立した。水の法制度は大変複雑で一本化されたことはなく、省庁の縦割り横割りで会議をすることすら難しかった。堺市議会議員に当選し「大和川の水を浄化して水道に」と思っても堺市に担当部署がない、大阪府議会議員に当選しても権限がないという話になり、国会議員になった。


水民営化

水循環の流れから担当省庁を考えると、まず雨が森林に降る、これは国有林多いので林野庁の管轄。河川管理しているのは国土交通省。河川の水質管理は環境省。地下水は、川と同じように地下に流れているが、監督官庁がない。下水道は国交省で下水道部長がいるが、上水道は厚労省で課長。水道は自治体が管理運営しており、自治体を管轄するのは総務省。水利権でいえば、農業用水は農林水産省、工業用水は経産省、水利権権利本体は法務省。海外援助は外務省。海水は海なので国交省。水政策全体としては内閣府。予算は財務省…と、省庁が多岐にわたっている。部長級か課長級かなど、役所の階級の問題もあり、直接交渉するとうまくいかない。会議の設定すら半年かかった。

自公政権時代に改革できなかったのは、2つのチームがバラバラに動いていたからだ。水ビジネスを頑張るべきだという経済界・経産省中心のチームと、NGO・NPOや環境省と一緒に水を環境保護の方向で進めようというチームが、お互いに国交省を引き込もうとし、どちらにも動けなかった。私たちのチームは、国内の水制度から水インフラビジネスまでカバーした形で法案化を実現した。

21世紀は水の世紀とも言われており、水は国家の安全保障。まずは基本法から動き出した。超党派議員連盟で全体調整し、民主党政調会の中に法律を書く水政策プロジェクトチームを立ち上げた。3つのチームとも事務局長を兼任し進めることで基本法、翌年には関連法を作ろうと思っていたが、それぞれ意見が食い違い、なかなか大変。政治は「キモチ」で動くものと痛感した。

水循環基本法の基本理念は5つあるが、特に
@水は公共のもの
A水循環を全体としてとらえる
B流域総合管理
の3つが柱となっている。
基本計画は2015年夏からスタートする。

水循環基本法はできたが、今のままでいいわけじゃない。これまでの法律を参照し、何を表すのか1つ1つ吟味しながら重複・背反の法律60本以上を改正しなくてはならない。内閣官房内に水循環政策本部を置く体制を作った。しかし現在は、国交省の中に机があり、国交省水資源部長が兼務で事務局をしている。各省庁から集まって会議はやるが、資料は国交省が作成しており、せっかく事務局を統合したのに1省庁に入ってしまった。行政の縦割りをなくすために、せめて首相官邸の中で事務局をおいてほしかったが、非常に残念だ。そういった意味からも、改革はこれからだ。

2015.02/文責:NPO法人 AMネット