2016.03.21

水と人権

大阪の水特集 <私たちの主張 2>

〜3.22World Water Dayに考える大阪市水道民営化問題〜

①大阪市の水道民営化プランは「再公営化」の世界のトレンド?

3/10交通水道委員会において、維新杉山市議が、私たちの陳情内容を質問に取り上げてくださいました!しかし…

  • 大阪市水道民営化プランと「再公営化」は同じか?
    世界中で「水道民営化が失敗だった」と、「再公営化」が進んでいる。それが世界の流れだと私たちは主張しています。
    それを受けて、杉山市議は「大阪市も同じ100%出資。ベルリン市も運営しているのは会社。100%出資というだけで、市の直営じゃない。だから、大阪市のこのプランと同じ。再公営化したベルリン市事例が世界のトレンドというなら、この大阪市プランも世界のトレンドだ」旨、主張されました。
    しかし、大阪市水道民営化プランは「水を市民の手から、営利企業に渡す」ことにつながりかねず、まさに「逆方向」です。
    私たちは、民営化の失敗を反省し、公の関与を強めて、100%市出資まで戻してきた海外事例を総称して「再公営化」と呼んでいます。
    それは、「水を営利企業から、市民の手に取り戻す」ことであり、世界の潮流だと主張しています。大阪市水道は公営であり、すでに「市民の財産」として「市民の手」にあります。
  • なぜ「水を営利企業に渡す」ことになるのか?
    「大阪市水道特定運営事業等実施方針(案)」によれば、「3〜5年を目途に民間に株式売却」が検討されます。
    その後も「1億円以上の株式売却は、議会が議決すれば可能」と議会答弁されています。
    つまり、1億円未満の株式売却は議会のチェックも不要です。
    私たち市民、あるいは議会すら気が付かないまま、いつの間にか、大阪市100%出資会社でなくなる。そういった危険をはらんでいます。
  • 売却した株の行方は?
    いったん民間に放出した株式を、制御することは困難です。現在のインフラ投資は、世界的に年金基金などの機関投資家が主流です。
    将来的に、海外の年金基金や機関投資家といった、必ずしも「水道事業の公共性・持続性」に関心を持たない株主が、大阪市水道運営会社の主要株主となる可能性が大いにあります。
  • 杉山市議には、そこを当局に聞いていただきたかったのに、非常に残念です。
    杉山市議と同様私たちも、海外での事例も含めて慎重に検討・議論しながら、市民負担を最小限にしつつ、持続可能な水道のありかたを検討していきたいと思います。

大阪市水道局


②水道民営化で、逆に「水道料金があがる」不安

この後、杉山市議は納得されたようで、この点についての質疑を終えてしまいました。

  • 実質的に断れる根拠は?
    しかし、私たちが問題にしているのは…
    数十年後の将来、大阪市の職員だった経験ある社員は、必ずいなくなります。
    市職員はモニタリング部署の20名だけ。技術職はおらず、市役所内で異動すれば蓄積もできません。
    そんな状態で、「値上げは不必要」だと、市側はどう判断するのか、心配です。
    報告書ベースで判断する、外部有識者の考えが、判断基準のすべてになるのではないでしょうか?
    もし、「値上げが必要」と市が判断すれば、次は市会に水道料金上限を引き上げる条例を上程することになります。
    市会が拒否し再協議不調となった場合、「市事由の契約解除」となり、市は、損失相当額を運営会社に支払うことになります。
    が、市も外部有識者も「必要」と判断した後、何を根拠に「市会は否決」できるのでしょうか?
  • 「本当に値上げ要求を断れるのか?」
    海外事例から見ても、運営会社からの値上げ要求を本当に断れるのか、公営の今よりも料金が高騰するのではないかと心配です。
    また逆に、本当に値上げが必要な状態でも、適正な判断がそもそもできるのか?が問われています。
  • 杉山市議、あるいはすべての委員会に参加する議員に対して、上記の点についての追加質問をしていただき、市民ができるだけ不安なく決定できるように委員会での議論を進めることなくして、 28日委員会採決、3/29日 本会議採決に至ることがなきよう、求めたいと思います。

大阪市水道局


2016.03/文責:NPO法人 AMネット