2001年 APECモニターNGOネットワーク(AMネット)連続セミナー

経済貿易自由化「いのち」脅かす!?

〜「いのち」を「市場メカニズム」に委ねることの意味を探る〜

第1回 3月22日(木)「いのち」の自由化に対抗する民衆の声

 池住 義憲さん(国際民衆保健協議会 日本連絡事務所 代表)<関西NGO協議会共催>

 2000年12月、バングラデシュで民衆による国際健康会議(PHA)が開催され、世界貿易機関(WTO)が進める貿易・金融・投資の自由化・経済のグローバル化、世界銀行が進める保健・医療「政策」は人々の健康に何をもたらしたのか?が議論されました。私たちの課題を考えるため、わかりやすくPHA報告をしていただきます。

第2回 4月 4日(水)WTO(世界貿易機関)と食品の安全基準

アキコ・フリッドさん&マーティン・フリッドさん(スエーデン消費者連合 世界問題担当)

 2001年3月25日から29日、千葉県幕張メッセで「コーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会・第2回会議」が開催されます。食品等の安全基準に関する国際ルールであるWTOのSPS協定ではコーデックス委員会の基準や指針・勧告を採用するため、コーデックス委員会が実質的に「食品の安全性」を決めているのです。遺伝子組換作物を中心に食品の安全性の問題を、幕張コーデックス委員会の最新報告とともに、お聞きします。

第3回 4月11日(水)特許優先政策がエイズ治療薬利用を阻む

  〜WTO知的所有権協定(TRIPS)が引き起こすもの〜

 林 達雄さん(日本国際ボランティアセンター 理事)

 エイズ治療薬でも複製をめぐり、知的所有権を主張する欧米諸国・製薬企業と、生きる権利を主張する途上国及びNGOが対立、WTOへの提訴への動きもでてきています。2000年7月の世界エイズ会議の報告も伺います。国境なき医師団とイギリスのNGOオクスファムではこの件に関するキャンペーンを行っています。

第4回 4月24日(火)WTOサービス交渉、WTOとは何か?

 佐久間 智子さん(市民フォーラム2001 事務局長)

 WTOではサービス交渉や農業交渉がすでに開始されています。サービスには医療・保健、教育、水供給、運輸、通信など生活に関わる多くのセクターが含まれます。サービス交渉とWTOの基本とその問題点を学んでみよう!

第5回 5月16日(水)現場から問う!経済のグローバリゼーションと貧困

 清家 弘久さん(日本国際飢餓対策機構 国際協力隊総主事)

 経済と貿易の自由化による影響は、第三世界の貧困問題にも関係しています。第三世界の現場で、活動しているNGOの経験から、経済のグローバリゼーションや、構造調整政策による自由化政策が、それらの国々での人々の生活、社会や経済にどのような影響を与えてきたのかを語っていただきます。

第6回 5月30日(水)医療・保健セクターの自由化・規制緩和

 若井 晋さん(東京大学医学系大学院 教員)

 日本においても、規制緩和という名前で、「保健・医療」分野の自由化が進められています。私達の社会における医療、保健を取りまく現状が、どのように動いているのかを学んで行きたいと思います。

第7回 6月13日(水)「いのち」源=水の自由化が意味するもの

 神田 浩史(APECモニターNGOネットワーク 共同代表)

 水は「いのち」の源とも言われる基本的なものですが、規制緩和・自由化は水供給についても進められています。国際金融基金(IMF)は第三世界の様々な地域で水供給の民営化・自由化を進めようとしており、また先進国でも規制緩和の流れの中で進もうとしています。それらの動きが持つ影響を考えていきます。

 

****************************【お問い合わせ】****************************

APECモニターNGOネットワーク(AMネット)事務局

TEL&FAX:06−4800−0888(火曜、金曜日 午後13時〜17時)

会場:大阪聖パウロ教会1F会議室(会場電話:06−6377−5144【関西NGO協議会】)

住所:大阪市北区茶屋町2-30

アクセス:阪急梅田駅茶屋町口より徒歩3分です。

      阪急梅田駅茶屋町口の東側の道路に沿って、北に進み、

      カメラのナニワと千鳥屋(2階が英会話のNOVA)の筋を入った右手です。

 時間:午後7時〜9時

 第1回は、共催のため参加費:500円  第2回〜第7回については参加費:800円(AMネット会員は、500円)

メールアドレス:apec-ngo@mxa.mesh.ne.jp URL: http://www1.mesh.ne.jp/~apec-ngo

 

 

AMネット連続セミナー 経済と貿易の自由化が「いのち」を脅かす!?

講師プロフィール一覧

池住 義憲(いけずみ・よしのり)さん(国際民衆保健協議会:IPHC 日本連絡事務所)

 東京YMCA およびアジア保健研修所(AHI)での計30年にわたるNGO経験を経て、現在、国際民衆保健協議会(IPHC)アジア、太平洋地域コーディネーター、南山大学および、南山短期大学非常勤講師。共著に『バナナから人権へーフィリピンバナナをめぐる市民運動』(同文舘、1988)、監訳書『いのち・開発・NGO〜子どもの健康が地球社会を変える』(新評論、1998)等がある。 IPHC :International People's Health Councilの略。保健活動(障害分野も含む)、開発分野の、世界最大のネットワークとして1989年に組織された。

マーティン・フリッドさん (スウェーデン消費者連合 世界問題<食品と貿易>担当)

 1996年の秋から、遺伝子組み換え食品に反対して活動をはじめる。遺伝子組み換えの問題を通して、不公平な自由貿易を推し進めるWTO(世界貿易機関)の問題に目覚め、生命特許や生物多様性の問題にも視野が広がる。97年からスウェーデン消費者連合と少しずつ関わり始め、98年から食品と貿易について担当。EUの消費者委員会主催による会議にも活発に参加。専門分野は、WTO、GMO(遺伝子組み換え食品)、家畜動物の問題についてなど。WTOの自由貿易に対し、フェアトレード関連の団体などとも交流がある。

アキコ・フリッドさん

 スウェーデン消費者連合(ボランティア)、日本の遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンのニュースには98年の秋からヨーロッパ情報を寄稿している。遺伝子組み換え食品などに関する問題のほか、避妊用ピルの問題についても感心を持ち、自分なりに情報を集め発信している。自分にやさしく、地球にやさしく、をモットーに日々活動している。93年春から南スウェーデン在住。

林 達雄(はやし・たつお)さん(日本国際ボランティアセンター理事)

 現在、日本国際ボランティアセンター理事。医師。現在、エイズ治療薬の知的所有権に関する問題を追求している。83年から日本国際ボランティアセンター(JVC)において、アフリカ・アジアにて海外協力活動に携わり、89年より同事務局長、93年より95年まで同代表。95年に、震災をきっかけに関西にて震災ボランティアとして活動。その後、タイ滞在中に、エイズ問題に取り組むことを決意、2000年7月には、世界エイズ会議にも参加。

佐久間 智子(さくま・ともこ)さん(市民フォーラム2001事務局長)

 翻訳業などを経て、94年より、環境NGO・市民フォーラム2001専従職員となり、96年より事務局長となる。主に、国際貿易・投資ルールが社会・環境全般に与える影響についての調査及び情報提供を行っている。多国間投資協定(MAI)に反対する国際ネットワークの日本担当ナショナル・コーディネータも務めた。数々の国際会議に出席し、雑誌などへの執筆、講演活動も多数。市民フォーラム2001編『WTOが世界を変える』(市民フォーラム2001、1999)も編集。

清家 弘久(せいけ・ひろひさ)さん(日本国際飢餓対策機構 国際協力隊総主事)

 84年〜90年関西ミッショナリー・ラングエッジ・インスティトゥート(KMLI)日本語教師。91〜93年ハンガー・アウェアネス・スルー・ティーチング(HAT)プログラム(飢餓啓発教育プログラム)ディレクター。93年から日本国際飢餓対策機構、海外スタッフのリクルート、トレーニング、フォローアップ担当。2000年には緊急援助チームとしてエチオピアにも3ヶ月滞在。日本国際飢餓対策機構は、アジア・アフリカ・中南米の25ヶ国にプロジェクトを持つNGO。

若井 晋(わかい・すすむ)さん(東京大学医学系大学院 教員)

 脳神経外科医。1981年に1年間、医療協力を行うNGOである日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)の派遣医師として台湾で働く。1991年から2年間、JOCSにおいて総主事として活動。その後も同海外担当としてアジア各地を訪問し、保健医療協力に携わる。国際保健・開発に関する論文、著書も多数。共著『地球の子ども』(同朋社、1998)、監訳書『いのち・開発・NGO〜子どもの健康が地球社会を変える』(新評論、1998)等。

神田 浩史(かんだ・ひろし)(APECモニターNGOネットワーク共同代表)

 ODA関連の開発コンサルタントを経て、1989年から信州・安曇野で農業とNGO活動をはじめる。1992年京都府に居を移し、地域自立発展研究所、大阪自由学校、京都自由学校、ODA改革ネットワークなど数々のNGOに関わる。95年、APEC・NGO国際会議関西実行委員会事務局長を務める。96年よりAPECモニターNGOネットワーク共同代表。雑誌や書籍への寄稿、講演活動、大学での講師など多数。